ニキビができる根本的な原因
ニキビができた時の対処方法として、まずニキビの原因たるアクネ菌を殺菌するアクネケアが考えられます。ただ、これは事後対策であり、根本的なニキビ対策ではありません。
ニキビの根本的な原因は皮脂の過剰分泌です。アクネ菌は問題の本質ではなく、皮脂が増えた結果に過ぎません。アクネ菌は皮脂を養分にして増殖する特性があるため、皮脂が多ければ多いほど増えるのが普通です。
ですので、ニキビを根本的に治そうと考えたとき、ます考えるべきは皮脂ケアです。アクネ菌は皮脂と連動して増えているだけであって、正直アクネケアではキリがありません。皮脂をどうにかしない限りはアクネ菌も増え、ニキビもでき続けます。
【ニキビができる根本的メカニズム】
皮脂が増えてしまう原因
皮脂は肌から分泌される油分であり、肌表面の乾燥を抑える役割を果たしています(なお汗と皮脂は別物)。
常に分泌されていますが、アクネ菌の養分という側面もあり、あまりに皮脂が増えすぎてしまうとアクネ菌が増殖、ニキビ発生に繋がります。
ではなぜ皮脂が増えてしまうのか。その原因は大きく分けて3つあります。
【原因1】ホルモンバランスの乱れ
主に10代ニキビ(思春期ニキビ)や女性の生理ニキビが該当。ホルモンバランスの乱れにより皮脂が過剰分泌され、ニキビができやすくなります。
暴飲暴食、ストレス、睡眠不足など生活の乱れからホルモンバランスが崩れ、皮脂分泌がおかしくなっている人もこれに該当します。「ストレスがニキビの原因」などと言われるのはこのためです。
【原因2】洗顔しすぎ
洗顔しすぎで肌が乾燥すると、肌の調整機能として足りない皮脂を分泌するようになります。結果的に通常よりも多くの皮脂が分泌されてしまい、油っぽい肌、ニキビ肌に繋がります。
特にメンズ洗顔料などは元々の洗浄力の強さに加えて、スクラブやクレイ(炭)など乾燥を招く吸着系成分を含むものが多く、油をごっそり落として、油をごっそり分泌しやすい条件が揃っています。
【原因3】外部的要因、季節的要因
一般的に夏場は皮脂量が増え、冬場は皮脂量が減るとされます。これは外部的要因である気温と湿度に対して体のバランス調整機能が働き、皮脂量に影響するためです。
皮脂を増やさないようにする対策
対処療法的にはビタミンC誘導体
皮脂を抑える対処療法的な手段としてはビタミンC誘導体を配合する化粧品ケアが第一に挙げられます。
ビタミンC誘導体には皮脂分泌を抑える効果があり、普段のスキンケアに+αで使うだけでも十分に効果があります(むしろ付け過ぎると乾燥して痒くなるほど)。
洗顔料を弱いもの(適度なもの)に変える
洗顔で皮脂をごっそり落としてしまうのは逆に過剰な皮脂分泌に繋がります。かと言って皮脂を残しすぎるとアクネ菌の養分を残しているようなものです。ですので適度な洗浄力を見極める必要があります。
肌質の違いにより一概には言えませんが、適度な洗浄のためには...
・洗顔は夜1回にして朝は水洗いに
・固形石鹸を避ける
・スクラブ、クレイ(炭)など吸着系成分を含む洗顔フォームを避ける
・洗顔時間を短くする(洗い過ぎない)
ここら辺を意識するだけでも十分に変わります。基本的に洗い過ぎは厳禁です。
ベースは生活習慣の改善
どうしても皮脂分泌となると体質的なもの、ホルモンバランスによるものの影響が大きく、スキンケアでは限界があります。そのため、そもそもの皮脂分泌の原因となっている食事や睡眠、生活スタイルそのものを見直す必要があります。
それこそ皮脂量をコントロールするという意味では食事の油分をコントロールするのが一番簡単ですし効果があります。昼飯一つ考えることから始めてみてください。
それでもニキビができてしまったら
赤ニキビや黄ニキビなど悪化に悪化を続けているニキビに対しては、対処療法的にアクネケア(殺菌ケア)を行うべきと考えます。ただ、これは一時的な使用に留めるべきです。
アクネ菌は肌の常在菌であり一掃することは不可能です。むしろアクネケアによってアクネ菌ともども肌の菌を殺菌してしまうことで、中長期的に肌の免疫力低下やニキビの慢性化などを招きます。
ですので、できる限りアクネケアに頼らず、ニキビの根本原因たる皮脂の過剰分泌を防ぐのが第一です。この根本的な部分を改善しない限りニキビは治らないし、ニキビはでき続けます。