凹凸ニキビ跡は化粧品では治らない
よくネット上では「凹凸ニキビ跡に効く〜」「凹凸が治る〜」みたいな化粧品が紹介されますが、残念ながら凹凸ニキビ跡は化粧品では治りません。
人間の肌は表面から表皮、真皮、皮下組織と連なります。凹凸ニキビ跡はニキビ炎症によって真皮に傷跡ができた状態です。対して化粧品は表皮、それも一番上の角質層にしか浸透しないため、凹凸ニキビ跡に対しては無力です。
【肌は表面から表皮→真皮→皮下組織と連なる】
「ヒアルロン酸やコラーゲン成分を配合した化粧品は凹凸を緩和する〜」みたいな論調もたまに見かけますが、そもそも化粧品では凹凸部分、真皮まで到達できないわけです。凹凸緩和も何もありません。
医薬品であれば真皮に効果を及ぼすものもありますが、凹凸ニキビ跡のような真皮の傷跡を修復する成分は存在せず、せいぜい真皮シミなど色素ケアが限度です。
根本的に化粧品とは肌表面の保湿のために使うものです。凹凸改善などの効果は持ち合わせていません。本格的な凹凸改善のためには化粧品や医薬品ではなく、レーザー治療などで真皮を直接的に刺激して、傷跡を修復していく必要があります。
ただ、巷ではステマもどき、アフィ※ありきの「凹凸が治る〜」記事が溢れており、化粧品で凹凸が治ると勘違いしている人が多いのも事実です。
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ネットでよく見る「凹凸ニキビ跡に効果のある化粧品」についての考察
ステマやアフィ宣伝の可能性を排除すれば、おそらく赤みニキビ跡や色素沈着ニキビ跡が改善することによる錯覚と考えられます。
赤みニキビ跡、色素沈着ニキビ跡であれば、まだ化粧品による改善が期待できます。これらの赤みや色素沈着が化粧品で薄くなったことにより、間接的に肌が綺麗になった、凹凸が緩和したと錯覚していると考えられます。
もちろん根本的に化粧品で凹凸ニキビ跡は治りませんし、もとよりステマで滅茶苦茶言ってる人もいます。
また、一部化粧品メーカーでは、肌のガサガサを「肌の凹凸」と表現するなどグレーゾーンに近い宣伝を行なっているところもありますので注意してください。
凹凸ニキビ跡を治す美容治療について
凹凸ニキビ跡治療はフラクショナルレーザー、マイクロニードル治療(ダーマペン)あたりが一般的です。
どちらも真皮を直接刺激する治療であり、肌表面にしか効果のない化粧品に比べれば圧倒的な効果が期待できます。
フラクショナルレーザー
フラクショナルレーザーは真皮まで到達する深いレーザー治療です。レーザーで真皮を傷つけ、強制的に肌再生を促します。
もともと加齢による真皮シワ、たるみなどアンチエンジング目的で使われていましたが、治療構造的に似ている凹凸ニキビ跡にも使われるようになりました。
凹凸具合にもよりますが、効果を実感するには最低5回〜は必要な治療です。数回やったからどうというものではありません。麻酔必須の痛い治療であり、なおかつ治療後のダウンタイムが4日〜7日ほどあります。その間、肌がすごいガサガサになります。
マイクロニードル治療(ダーマペン)
90年代から行われるニキビ跡治療の王道です。物理的な針で真皮を傷つけ、肌再生を促します。原理的にはフラクショナルレーザーと同じです。こちらも最低5回〜は行う必要があります。
かつてはローラー型のダーマローラーが使われていましたが、最近ではもっぱらペン型のダーマペンが主流です。むしろダーマペンの方が安全性が高いため、できる限りダーマペンを採用している美容皮膚科を選ぶべきです。
TCAピーリング
ここ数年で普及しだした凹凸治療。ピーリング治療の一種です。通常のピーリング剤よりも強い薬品を使うことで、ピーリング剤の真皮への到達、ニキビ跡の凹凸改善を可能にしました。
レーザーやマイクロニードルを使わずに凹凸治療ができるという意味では画期的であり、軽い凹凸であればTCAピーリングでも十分かと思われます。
ただ現時点でTCAピーリングを提供している美容皮膚科は少なく、料金も高めです。まだまだ効果やリスクが未知数なところが多く、積極的な凹凸治療の選択肢とはなりにくいのが現状です。
プラズマ治療
これも新治療。特にここ1年くらいの流行りです。気体をさらに熱したプラズマを肌に照射することで、表皮を残したまま真皮にダメージを与えることができます。
レーザー治療だと表皮、真皮と貫く形でダメージを与えるため、治療後はかさぶたができます。そのせいで治療後1週間ほど肌がガサガサになるデメリットがあります。プラズマ治療の場合はこれがほとんど無いため、安全な凹凸治療として(一部界隈で)注目を集めています。
他方、プラズマ治療を提供する美容皮膚科は日本全国でも数えるほどしか無く、まだ最先端治療に留まる段階です。料金も高めですので今後に期待...といったところです。
まとめ
・凹凸ニキビ跡は化粧品(スキンケア、自宅ケア)では治りません。
・凹凸ニキビ跡の本格的な改善にはレーザー治療など美容治療が必要です。もっぱらフラクショナルレーザーかダーマペンが一般的です。
なお、あくまでフラクショナルレーザーやダーマペンは凹凸を治すための治療です。赤みや色素沈着ニキビ跡に関しては、凹凸治療とは改善プロセスが異なるため、別途ケアする必要があります。詳しくは以下記事などを参考ください。